子どもの矯正(小児矯正)の費用・相場について
子どもの矯正歯科治療のタイミングは2回!治療時期によって費用が変わる?

小児矯正を大きく分類すると「第一期治療」と「第二期治療」に分けられます。
第一期治療とは、子どもの成長を活かして顎のバランスを整える治療です。成長段階である子どもの頃にしかできない治療であり、永久歯がきれいに生えるための準備をすることが目的です。
治療開始時期は症例によって異なりますが、永久歯と乳歯が混在する6歳〜12歳頃が一般的です。ただし、受け口などの症例で3歳頃から始められる小児矯正治療もあります。
一方で、第二期治療とは永久歯の歯並びを整える治療です。大人の矯正治療と同じ内容であり、永久歯が生え揃う時期から治療をスタートします。
大人と同じくワイヤー矯正もしくはマウスピース矯正で治療を行います。
小児矯正は、顎のバランスが整い、永久歯もきれいに生えるようであれば第一期治療のみで終了することもあります。第一期治療と第二期治療のどちらも必要なケースもあれば、顎のバランスに問題がなく第二期治療からスタートするケースもあるのです。
そのため、いつから治療を開始するかによって費用は大きく変わります。
第一期治療の費用相場と第二期治療の費用相場を紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
1期治療(小児期)の費用相場
第一期治療の費用相場は10〜50万円程度です。
第一期治療で使用される装置は多数ありますが、主な矯正装置は以下の6種類です。使用する装置によっては新調が必要で費用が嵩むこともあります。
- 床矯正装置
- 急速拡大装置
- ヘッドキア
- リンガルアーチ
- プレオルソ
- ムーシルド
以下の表でそれぞれの矯正装置の費用相場をまとめています。
矯正装置の種類別費用相場
特徴 | 費用相場 | |
---|---|---|
床矯正装置 | 歯列の幅を拡げるために用いる着脱可能な装置。 重度の症例であれば、装置の新調回数が増えるため、その分費用も高くなる。 | 20〜40万円程度 |
急速拡大装置 | 上顎を拡げるために用いる固定式の装置。 強い力をかけて上顎を拡げるため、よりスペース確保が必要な場合に使用される。 |
3〜5万円程度 |
ヘッドギア | 上顎の成長を抑えて上下の顎のバランスを整えるために用いられる装置。 上顎前突(出っ歯)の症例で使用されることが多い。 | 10〜50万円程度 |
リンガルアーチ | 歯の裏側に装着する固定式の装置。奥歯の位置を固定させたい、永久歯が生えるスペースを確保したいなど歯列を整えるうえで必要な場合に使用される。 | 3〜5万円程度 |
プレオルソ | 柔らかい素材でできたマウスピース型の装置。 歯並びに影響する癖を改善し、口周りの筋肉を正しく使えるように導くための装置です。 | 3〜20万円程度 |
ムーシールド | マウスピース型の矯正装置で、反対咬合(受け口)の症例で用いられます。 3歳頃から使用できる装置です。 | 5〜10万円程度 |
2期治療(永久歯期)の費用相場
第二期治療の費用相場は30〜110万円程度です。
第二期治療で用いられる矯正治療は以下の2種類です。
- マウスピース矯正
- ワイヤー矯正
マウスピース矯正とは取り外しが可能な装置を1日22時間以上装着して、歯並びを整える治療法です。
装置も目立ちにくいため、矯正装置の見た目が気になる方におすすめの治療法といえます。
1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換して歯を動かします。
装置の着脱が可能なためお口のケアがしやすいですが、装置の装着時間を守らなければ計画通りに歯を動かすことはできません。
一方で、ワイヤー矯正とは歯の表面にブラケットとよばれる装置を接着し、その上にワイヤーを通して歯に矯正力を加える治療法です。
昔から用いられている方法であるため、治療実績が豊富で幅広い症例に対応できる点が特徴です。
ただし、装置が固定式であるためブラッシングが難しくなります。
虫歯や歯周病にならないよう気を付ける必要があるでしょう。
第二期治療から始めた場合の種類別費用相場
特徴 | 費用相場 | |
---|---|---|
マウスピース矯正 | 透明のマウスピースを1日22時間以上装着して歯並びを整える方法。 装置が目立ちにくい、お口のケアをしやすいなどのメリットがある。 装着時間が少なければ計画通りに歯を動かすことができないため注意が必要。 | 70〜100万円程度 |
ワイヤー矯正 (表側矯正) |
正面から見て歯の表側に矯正装置を接着してワイヤーを通す矯正方法。 装置が目立ちやすいが、透明の装置や白いワイヤーを使用するなどの対策も可能。 | 70~90万円程度 |
ワイヤー矯正 (ハーフリンガル矯正) |
見えやすい上顎は歯の裏側に装置を装着し、見えにくい下顎は歯の表側に装置を装着する方法。 装置の見た目を配慮しながら、費用も抑えられるワイヤー矯正。 | 80〜110万円程度 |
ワイヤー矯正 (舌側矯正) |
上下顎とも歯の裏側に装置を装着する矯正方法。 矯正装置が目立ちにくいため、見た目が気になる方におすすめ。 ただし、慣れるまで違和感が強く、舌が傷つきやすい。 | 120〜150万円程度 |
第二期治療の費用は、第一期治療から第二期治療に移行する場合と、第二期治療からスタートする場合では大きく異なります。
第一期治療から第二期治療に移行する場合の費用は、第一期治療に30〜50万円程度の追加費用が発生します。
第二期治療からスタートする場合は、矯正装置の種類によって異なりますが、70〜150万円程度の費用が必要です。
治療の段階別にかかる費用一覧

小児矯正治療にかかる費用は装置代だけではありません。
小児矯正治療にかかる費用を細かく分別すると、以下の費用が必要です。
- 初診・カウンセリング
- 精密検査・診断料
- 矯正装置代
- 調整料
- 保定装置代
これらの費用を矯正治療開始前から治療終了後の段階別に詳しく解説します。
治療開始前にかかる費用
小児矯正を開始する前に必要となる主な費用は以下の2つです。
- 初診・カウンセリング
- 精密検査・診断料
カウンセリング料は無料で行われる歯科医院も多いですが、検査を行ってからより正確な治療期間・治療費などの説明を受ける場合は3,000〜10,000円程度の費用がかかる場合もあります。
小児矯正を始めることが決まれば精密検査を行い、検査結果をもとに診断し、治療方針や治療計画を立案します。
精密検査・診断料は3〜5万円程度の費用が必要です。
POINT
治療開始時、治療中にかかる費用
小児矯正を開始してから治療中にかかる費用は、矯正装置の費用と調整料です。
調整料は処置を受けるたびに3,000〜5,000円程度費用が発生するケースが多いでしょう。
しかし、トータルフィー制度を導入している歯科医院であれば、矯正費用に調整料も含まれているため処置を受けても追加費用は発生しません。
歯科医院によって費用や料金制度は異なるため、事前に確認しておきましょう。
治療終了後にかかる費用
小児矯正終了後は保定期間に移行します。
保定期間とは、整えた歯並びが後戻りを起こさないよう保定装置を使用したり、永久歯への生え変わりを経過観察したりする期間です。
定期的な通院が必要で、保定装置の費用や、経過観察のための診察料が発生します。
POINT
保定期間に必要な費用相場
保定装置代 | 2〜6万円程度 |
---|---|
診察料 | 3,000円程度 |
当院で実施している小児矯正歯科治療「顔育矯正」の治療内容と料金体系について

当院の小児矯正治療では「顔育矯正治療」を導入しています。
顔育矯正治療とは、歯並びの見た目だけでなく、機能面や顔の骨格までを考慮した矯正治療です。
歯並びや顎の成長に影響を与える原因を追求してアプローチする治療で、顎の成長が正しく行われるよう促し歯並びの改善を目指します。
顔育矯正治療で行う治療は以下の2つです。
- ・マウスピース型の矯正装置で、正しい口腔習癖を覚える
- ・口周りの筋肉を正しく使うトレーニングをする
一般的な小児矯正とは違い、顔育矯正は歯並びが悪くなったり顎の成長に悪影響を与えたりする根本的な原因を解消します。そのため、無理に歯が並ぶスペースを確保することもありません。
その結果、歯並びだけでなく骨格から美しい治療結果を得ることができます。
当院の顔育矯正治療の費用は以下のとおりです。
当院の小児矯正歯科治療「顔育矯正」の費用
矯正相談 | 無料 |
---|---|
精密検査・診断料 | 44,000円(税込) |
調整料 | 5,500円(税込)/月※来院ごと |
顔育矯正(1期治療) | 385,000円(税込) |
拡大装置(上顎) | 110,000円(税込) |
拡大装置(下顎) | 33,000円(税込) |
子どもの矯正(小児矯正)の費用負担を抑える方法
小児矯正にかかる費用の負担を抑える主な方法は以下の2つです。
- 医療費控除
- 高額療養費制度・限度額適用適用認定証
それぞれの方法について詳しく解説します。
医療費控除
小児矯正は医療費控除の対象です。
医療費控除とは、国から所得税の還付を受ける制度です。家族の1年間の医療費の合計が10万円を超えた場合に、医療費控除の申請をすることで所得税の還付を受けられます。
ただし、全ての矯正治療が医療費控除の対象となるわけではありません。医療費控除の対象は「治療」を目的とした矯正治療に限られます。
矯正治療は、歯並びの見た目だけを改善する「審美目的」と、歯並びだけでなく噛み合わせなどの機能面も考慮した「治療目的」の2つがあります。前者の審美目的の場合は、治療ではないため医療費控除の対象外となるのです。
小児矯正の場合は、成長段階から治療を開始することで歯並びや噛み合わせが改善し、将来的に健康リスクを軽減できる「治療目的」があると考えられます。そのため、ほとんどのケースで医療費控除が認められています。
高額療養費制度・限度額適用認定証
小児矯正は高額療養費制度・限度額適用認定証の対象となります。
高額療養費制度・限度額適用認定証とは、1ヶ月以内に支払った医療費の金額が、上限額を超えた際に超過分のお金が返ってくる制度です。上限額は年齢や所得によって異なります。
高額療養費制度・限度額適用認定証の場合も医療費控除と同じく、「治療目的」の矯正治療の場合のみ対象となります。
小児矯正は、正しい成長を促すために必要な治療と捉えられるため、高額療養費制度・限度額適用認定証の場合もほぼ対象となります。
小児矯正歯科治療におけるお支払い方法の種類

小児矯正治療は高額な治療費がかかるため、支払い方法に不安を抱える方も少なくありません。支払い方法は歯科医院によって異なります。
多くの歯科医院で導入されている主な支払い方法は以下の3つです。
- 処置別支払い制
- 総額費用制度(トータルフィーせいど)
- デンタルローン
それぞれの支払い方法の特徴を詳しく解説します。
処置別支払い制
処置別支払い制とは、治療前や治療開始時、治療途中、保定期間など、処置を受ける度に費用を支払う方法です。
例えば、精密検査・診断、矯正装置代、調整料、保定装置代、経過観察料などの料金があります。
1回の支払い額を抑えられるメリットがありますが、総額が不明瞭、治療期間が長引いたり追加装置が増えたりすることで支払額も増額するなどのデメリットもあります。処置別支払い制は、現金のほかにクレジットカード払いに対応している歯科医院も多くあります。
クレジットカードのポイント制度を活用するとお得になることもあるため、検討してみるとよいでしょう。調布歯科・かおいく矯正歯科では、処置別支払い制を採用しております。
総額費用制度(トータルフィー制度)
総額費用制度とは、治療前から治療終了までにかかる費用を全てトータルして支払う方法です。「トータルフィー制度」ともよばれます。
小児矯正にかかる費用の総額が明確で分かりやすい、追加に費用が発生する心配がないなどのメリットがありますが、まとまった費用の支払いが必要です。
デンタルローン
デンタルローンとは、高額な歯科治療費を分割して支払う目的のローンです。小児矯正治療は高額であるため、治療を諦めていた方におすすめの支払い方法です。
歯科医院が利子を負担している場合や、決められた分割回数までの場合などは無利子で利用できるケースもあります。
ただし、デンタルローンは審査が必要ですので、誰もが必ず利用できるわけではありません。

日本矯正歯科学会所属
私は神奈川歯科大学を卒業後、矯正歯科医として経験を重ねてまいりました。また、当院の本院である柳沢歯科医院でも矯正歯科治療に携わり、多くの症例を通じて技術を磨いてきました。
調布歯科・かおいく矯正歯科では、矯正歯科治療において、カウンセリングから治療まで一人ひとりに十分な時間を確保し、患者様の疑問に丁寧にお答えすることを心がけています。また、説明の際には口頭だけでなく、口腔内写真を活用して視覚的にも分かりやすく工夫しております。
歯並びは土台である顎の成長がとても大切です。そして成長の為の筋肉、さらに、呼吸と密接に関わっています。特に子供達はまさに今、成長しているのでそのタイミングを逃さずに、治療をスタートすることが重要です。
小さなことでも、お気軽に無料相談にお越しくださいね。